「キリストの涙」!
いつもアルポルトカフェ日本橋高島屋店をご愛顧下さいまして、まことにありがとうございます。
今日のワイン紹介は、カンパーニャ州のラクリマ・クリスティ・デル・ヴェズービオ・ビアンコで、葡萄品種はコーダ・ディ・ヴォルペと言います。
ラクリマ・クリスティと言えば、日本にはそういう名前のバンドが存在するのですが、意味は「キリストの涙」ということです。
イタリアワインには、簡単に分けると3種類の名前があって、一つ目は葡萄品種や産地またはその両方を並べたもの、次にこの「ラクリマ・クリスティ〜」のように、何らかの挿話とか寓話をつけたもの、そして「サッシカイア」とか「テスタマッタ」などの、ワイナリー独自のブランド名です。
1番目の代表は葡萄品種と村名である「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」や村名である「バローロ」や「バルバレスコ」があります。「ラクリマ・クリスティ」の仲間には「エスト! エスト!! エスト!!! ディ・モンテフィアスコーネ」があります。
それにしても一体このワインはどうして「キリストの涙」などという畏れ多い名前なのかは存じませんが、寓話としてあるのは、昔天上の世界でサタンが天国の一部を盗み逃げたときに、落っことしたのがカンパーニャ州のナポリであり、その因縁からかナポリの人たちは悪業の限りを尽くします。
それを観た神が怒って、ヴェズービオ火山を噴火させ、ナポリの町を滅ぼしたところ、キリストが涙を流し、そこから生え出た葡萄の樹から作られたのが、このワインだということです。
それが本当かどうか、聖書を調べるまでもありませんが、しかしこのワインにはそのような伝説が相応しいほど、ファンタスティックなものになっています。
実にこのワインはカンパーニャ州の特産品として大量に作られ、安価で出回っていました。しかし、最近志有る生産者がこのワインの品質を高めようと努力して(「ワイン・ルネッサンス」)、素晴らしいものが生まれつつあります。
私はこの「ラクリマ・クリスティ〜ビアンコ」と、同じくカンパーニャ州で生まれる「フィアノ・ディ・アヴェッリーノ」ほど、想像力を刺激して楽しませてくれるワインに出会ったことがありません。
その清冽さは森の泉から生まれてきたかのようで、まさに涙のようにやさしく胸に流れ落ちます。
どちらも熟成には全く向いていないように思えますが、若いうちにこれほど美しければもう十分です。
シャルドネにも似た、木質的な苦味を伴う後味がありますが、それもまた心地よく感じられます。
作り手のテッレドーラは、ルーチョ・マストロベラルディーノというまだ若い、好青年がテッレドーラのワインを作っていますが、彼は大変美しいワインを作ります。
私の中では、彼の作る白ワインではイタリア最上のものです。本当に彼の作る白ワインは、例えばフランスのモンラッシェとかムルソーとかそういった大きなワインとは正反対ですが、決して劣るものではありません。
是非一度は飲んでいただきたいワインです。
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